ネギのサレ妻日記　３３話　～実母の涙～

息子が２歳のとき、夫に不倫をされて離婚した。
今おもえばあれは夫からの一番のプレゼントだったのかもしれない。
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第３３話　実母の涙　

「お母さん、私離婚するね」

淡々と伝えた私に母は驚いた顔をした。
私の母は昔ながらの考え方の人で「離婚」なんて考えもしないような人間だ。
父と不仲でありながらも世間体と生活の両面から離婚を選択しなかった母。
そんな母は、「母の中の”普通”」を押し通す傾向にある。
だから娘の決断に反対するのは必然だった。

「何言ってるの、あんたはいつもそうやって衝動的に動いて！子どもだっているのに！」

保守的な母親から衝動的な娘が産まれたことが信じられないのか矢次に言葉をぶつける母に、私はヘラヘラしながら口を開いた。

「ニラ夫くん、１年も浮気してたんだよね」
「息子の誕生日も私の誕生日も仕事といって浮気相手のところにいってさ」
「同居のお義母さんも私に任せっぱなしだし」
「もう無理でしょ」

平然な風に装っているけど母の顔は見れないし、息継ぎもで上手にできない。
深刻にしたくないと思ってしまう自分もいて、こういうときに私はいつもヘラヘラしてしまう。

これも一種の防衛本能だろう。

娘に決定事項として離婚を伝えられた母も複雑な思いだったろう。
母の顔を見れなくても、母が泣いているのは視界の端から伝わってきた。

登場人物紹介

ネギ…当時20代後半。会社員でパワフル。

ニラオ…ネギの元夫でシタ夫　美容師　ネギの2つ上　ナルシスト。

尻軽りん子…ニラオの職場のアシスタント。不倫女。

ネギ坊主…ネギの息子で２歳。保育園に通っている

ネギーボ…ネギの義母。同居している

つづく

お昼１２時に「搾取され夫」の連載と交互にやっていきます。

スレッズで途中まで連載していたものを整理しました。今のところブログSNS限定でなにかあれば消す期間限定連載です。よろしくお願いいたします。

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